---なるほど。それでは、実際に起業するときのポイントは?
関口 これは簡単な話で、「とにかく細い道を進む」という心構えを持つこと。すでに誰かが整備してくれた、でっかい国道のような道を進んでも、もうビジネスチャンスは残されとらんのやから。だから、人生の中で、特にビジネスシーンにおいて、細い道を見つけたら、とにかくその道を進むこと。そうすれば、必ず「自分だけの道」が見えてくる。ビジネスチャンスちゅうやつは、そんなオンリーワンの道、その先にだけ隠されとるんやからね。
---王道を歩むな、と。
関口 うん、歩み方としては王道でいいと思うよ。地道に、誠実に、しっかりと一歩ずつ歩いていけばいい。ただ、他の人が歩いとるような道には、もうチャンスは残されてないからね。勝ち馬に乗ろうとせず、自分自身が勝ち馬にならんと。
---先見性やアイデアが重要になってきますね。
関口 ただ、特別な才能が必要なわけじゃないよ。もしそうだったら、私なんか生き残っているはずがない。先見性というよりも、「常に三年先を見ながら歩く」という心構えが大事でしょうな。
---三年先を見ながら歩く、ですか。
関口 これは難しい話で、若い経営者は、とにかく目先の利益にこだわるのよ。実際に資金繰りに困ってるというのもあるだろうし、若いエリートはプライドが高くて恥をかきたくないから、とりあえず利益を出そうとする。それをちょっと視線を変えて、三年先、五年先を見ながら歩く。そういうことができれば、実際に三年先や五年先に生き残っとるのよ。それもすごくいい形で。
---三年先を見ると、何が変わりますか?
関口 まず、やるべき先行投資がわかるようになる。会社の設備投資はもちろん、知識や人脈といった自分自身への自己投資もね。それに、三年先が見えていれば、方針がブレなくなる。ちょっと風が吹いたくらいじゃ揺るがない自分ができて、地に足のついた経営ができるようになりますよ。
---先行投資の判断は難しそうですね。
関口 たしかに難しい決断です。でも、これと決めたら思い切ってやること。ほら、たとえばめちゃくちゃ高いパソコンを買ったら、「元を取ろう」という気になって、仕事でもプライベートでも使いこなすでしょ? それと同じで、どでかい先行投資をやったら、それだけ決意が固まるものですよ。 |